こんばんは。ST工房です。
最近、SNSを開くと、本当にたくさんのレザークラフト作家さんの動画が流れてきます。
レザークラフトを始めたばかりの人もいれば、「どうやったらこんなもの作れるんだ?」と思うくらい、とんでもなく技術の高い人もいます。
もちろん、私は普段からレザークラフトの動画ばかり投稿していますし、フォローしている人にも革作家さんが多いので、アルゴリズム的にそういう動画が表示されやすいだけなのかもしれません。
それでも、昔と比べると本当に革作家さんが増えたなと感じます。
そんな動画を見ながら、ふと思うことがあります。
この中で、何%くらいの人が趣味で作っていて、何%くらいの人が仕事として革製品を作っているんだろう。
そしてもう一つ。
革職人として、本当に食べていけるんだろうか。
きっと、このブログを読んでくださっている方の中にも、気になっている人は多いはず。
私はレザークラフトを始めて17年。そして、SNSで本格的に発信を始めてから、ちょうど1年ほど経ちました。
今回は、この1年間を振り返りながら、私なりに感じた「革職人として食べていく」ということについて少し書いてみたいと思います。

誰にでも可能性はある
最初に結論から言うと、私は、
「革職人として食べていける可能性は、誰にでもある」と思っています。
なぜなら、今はSNSの時代だから。
昔であれば、自分の商品をたくさんの人に知ってもらうには、お店を構えたり、イベントに出店したり、雑誌に掲載してもらったりする必要があったと思います。
でも今は違います。
Instagram、TikTok、YouTubeなどを使えば、一人の革職人でも日本中、さらには世界中の人に自分の作品を見てもらえる。
これは本当にすごい時代だと思います。
ただし、
良いものを作れば自然に売れる。
そんな単純な話でもありません。

技術が高いだけでは売れない
もちろん、商品そのものの質は大切です。
きれいに裁断すること。
美しく縫うこと。
丈夫に作ること。
カービングやスタンピングの技術を磨くこと。
職人である以上、技術を高めていくことは絶対に必要だと思っています。
でも、この1年間SNSと販売を続けてきて感じたのは、
どれだけ高い技術を持っていても、その価値が必要な人に届かなければ、売上にはつながらない
ということ。
逆に言えば、必ずしも世界トップクラスの職人技がなければ商品が売れないわけでもありません。
自分の商品にはどんな魅力があるのか。
誰に使ってほしいのか。
どんな生活の中で使ってほしいのか。
そして、それをどう写真や動画で表現するのか。
そういった部分まで含めて、今の時代の商品作りなのだと思います。
なぜ「私から」買うのか
私自身、この1年間で、あるアイテムが特定のファン層にヒットしたことがありました。
幸運なことに、その商品の制作動画もSNSで大きく伸びて、たくさんの商品を購入していただきました。
でも、その商品を作れる革職人が私しかいないのかと言われれば、そんなことはありません。
技術的に作ろうと思えば、作れる人はたくさんいると思います。
では、なぜ私から買ってくれたのか。
自分なりに考えてみると、
商品そのものだけではなく、
SNSで発信してきた作品の雰囲気。
制作している様子。
動画の撮り方。
商品の見せ方。
そして、それまで積み重ねてきた投稿。
そういったものが合わさって、
「この商品が欲しい」から、「この人が作った、この商品が欲しい」に変わったのではないか
と思っています。
同じものを作れる人がいることと、
その人から買いたいと思ってもらえることは、まったく別の話です。
これは、この1年間で強く感じたことの一つです。

SNSで再生されても、商品が売れるとは限らない
そして、SNSは本当に難しいです。
InstagramやTikTokでは、広告費を使えば、ある程度多くの人に動画や商品を見てもらうことはできます。
でも、
見てもらえることと、売れることは別です。
動画を見る。
↓
興味を持つ。
↓
プロフィールを見る。
↓
プロフィール欄にあるオンラインショップに遷移する。
↓
商品を見る。
↓
欲しいと思う。
↓
実際に購入する。
という、購入してもらうまでには、これだけたくさんの段階があります。
10万人に動画を見てもらえても、商品ページが魅力的でなければ売れません。
写真が分かりにくかったり、商品の特徴が伝わらなかったり、「この価格を払ってまで欲しい」と思ってもらえなければ、当然購入にはつながりません。
だから、SNSだけ頑張ればいいわけでもないんですよね。
「革製品を作る技術」と「革で食べていく技術」は違う
この1年間で、私が一番強く感じたのはこれです。
「革製品を作る技術」と「革で食べていく技術」は別物。ということ
革製品を作る技術。
商品を魅力的に撮影する技術。
SNSで人に届ける技術。
商品ページを作る技術。
価格を決める力。
お客様に安心して購入してもらうための対応。
これらは全部、別の技術です。
そして、革職人として生計を立てるのであれば、革を作る技術だけでは足りません。
自分の商品を知ってもらい、魅力を伝え、必要な人に届け、そして購入してもらう。
つまり、「売る技術」も必要なんだと、この一年間で本当に学びました。
売れたからといって、食べていけるわけでもない
そしてもう一つ忘れてはいけないのが、
売上と利益は違う
ということです。
革代、金具代、工具代、梱包資材、送料、販売サイトの手数料、広告費、外注費。
売上が増えれば、それに伴ってかかる費用も増えていきます。
例えば「月50万円売れた」という数字だけを見るとすごく見えるかもしれません。
でも、本当に大切なのは、
最終的にいくら自分の手元に残るのか。
売れることと、革職人として生活していけることも、また別の話なんですよね。
ここまで考えて初めて、「革職人として食べていく」ということになるのだと思います。

今の私に一番足りないもの
私は17年間、レザークラフトを続けてきました。
でも、マーケティングについてはまだまだ勉強中です。
この一年間、自分なりにSNSを運用し、商品を販売し、試行錯誤してきました。
その中で少しずつ、
「こういう動画は見てもらえる」
「こういう商品は反応がいい」
「こういう見せ方をすると興味を持ってもらえる」
ということは分かってきました。
それでも、まだまだ知らないことだらけです。
だから最近は、マーケティングやEC、ブランド構築のプロの力を借りて、もっとビジネスを大きくしていくのも一つの方法なのではないかと考えています。
革職人として食べていくために
革職人として食べていく。
昔の私は、ひたすら技術を磨いて、良いものを作れるようになれば、それが一番大切なんだと思っていました。
もちろん、今でも技術はものすごく大切だと思っています。
でも、今は少し考え方が変わりました。
良い商品を作る。
その魅力を伝える。
必要としてくれる人に届ける。
買ってもらう。
そして、きちんと利益を残す。
そこまで全部できて初めて、「革職人として食べていく」ことができるのだと思います。
決して簡単ではありません。
でも、今の時代だからこそ、一人の職人にも大きな可能性がある。
私はそう思っています。
私自身も、まだその途中です。
これからも作る技術を磨きながら、「届ける技術」ももっと勉強していきたいと思います。
そしてもし、このブログを読んでくださっている方の中に、マーケティングやEC、ブランド構築を専門としている方がいて、私の活動に興味を持ってくださる方がいましたら、ぜひ一度お話を聞かせてください。
職人としてだけではなく、ビジネスとしてレザークラフトをどう育てていくのか。
私自身、もっと学んでいきたいと思っています。
ちょっと長くなりましたが、今日はこの辺で。
また次回のブログでお会いしましょう。




