革職人だけで生活できる?個人工房のリアルな話【レザークラフト独立を考えている方へ】

こんばんは!ST工房です。

今回は

革職人だけで生活できるの?

という、レザークラフトをやっている人なら一度は気になるテーマについてお話したいと思います。

最近、SNSを通じて
「将来的に革職人として独立したいです!」
というメッセージをいただくことが増えてきました。

そこで今回は、個人工房として活動している立場から、リアルな現実をお伝えします。

まだまだ修行中の身ですが、これから独立を目指す方に少しでも参考になれば嬉しいです。

無名の個人がいきなり業務委託のチャンスは来ない

まず結論から言うと、

個人でレザークラフトを始めた瞬間から仕事が舞い込むことは、ほぼありません。

私はカービングを武器にしていますが、
正直に言うとカービングの業務委託の依頼ですら一度も来たことがありません。

つまり、

  • 月々安定した収入が保証されているわけではない
  • 売れる月は数十万円、売れない月は数万円なんてこともある

この波は、個人工房ならではの「現実」だと思います。

売上の柱は、

  • 個人のお客様からのオーダー
  • BASEでのオンライン販売

この2つが中心です。

安定はしませんが、自分の作品で勝負したい人には、とてもやりがいのある道です。

教室収入も柱になるけど難しさもある

それから、レザークラフト教室も収入のひとつです。
ただし、これも生徒さんがいてくれて初めて成立する世界。

当工房はマンツーマン指導で行っています。

理由は、スキルやレベル、進めている作品が人それぞれであり、同じ時間に複数人を教える場合、誰かを教えている間は他の人に時間を割けないので「満足度が下がる」為です。

丁寧に教えたいという思いがあるので、どうしてもこのスタイルを選んでいます。

ただ、ここが難しいところで…
教室は時間を切り売りする仕事なんですよね。

例えば、2時間のレッスンで3,000円。
一日に3名来ていただけたとして、最大で9,000円の売上になります。

でも、これはうまくいった日の最大値
毎日3人来てくださるなんてことは、現実的にほぼありません。

もちろん、効率だけを考えるなら同時に3名教えれば理論上収益は3倍になります。
でもその分、指導の質や質問への対応がおろそかになりやすく、生徒さんの満足度は下がってしまう…。

つまり、
“丁寧に教えたい気持ち”と“収益性”の板挟みが、教室運営の悩ましいポイントなんです。

コンテンツ販売は夢があるけど簡単じゃない

私はオリジナルの図案や型紙(Carving Design/Pattern)も販売していますが、これも「出せば売れる」なんて世界ではありません。

  • 大手クラフトメーカーがデザイン販売をしている
  • 海外の格安パターンもある

つまり、オリジナルで戦うには差別化と努力が必要です。

でも、ここは夢がある世界。
自分のデザインを誰かが形にしてくれるって、本当に嬉しいんですよね。

OEMや業務委託について(簡単に)

将来的に名前が広まれば、

  • OEM(他ブランドの製品を作る代行)
  • 業務委託での製作依頼

などが来るようになるかもしれません。

ただし、これも

必ず来る保証はないし、個人工房では大量生産に対応できない場合もある

ということは知っておきたいところです。

簡単なフィギュアカービングに挑戦!技術の幅を広げるために…

革職人として活動していると、どんなオーダーにも対応できる技術が求められます。
もちろん全てを完璧にこなすなんて簡単なことではありませんが、幅を広げるための挑戦は避けて通れません。

私はずっと唐草模様のレザーカービングがメインで、フィギュアカービングは得意ではありません。
これまでもフィギュア系のオーダーはお断りすることが多かったです。

でも、それじゃあ技術の幅って広がらないんですよね。
オーダーに対応できる技術を育てるには、どこかで踏み出さないといけない。

そこで今回は、思い切ってフェザーカービングのオーダーを受けてみました🔥

初めてのチャレンジでしたが、なんとか形にできました!
自分で言うのもなんですが、初挑戦にしては悪くない…はず(笑)

このあとは、真っ黒に染めて名刺入れに仕立てます。
一つひとつの挑戦が、確実にスキルアップにつながっていく。
そう実感できたオーダーでした。

まとめ:革職人として食べていくには努力が必要。でも夢がある

革職人として個人でやっていくのは、正直かなり大変です。でも、だからこそ面白い。

  • SNSで発信し続ける
  • 独自のスタイルを磨く
  • 教室やコンテンツ販売など収入の柱を増やす
  • オーダーに対応できる技術を育てる

やることは山ほどありますが、続ければ少しずつ道が開けてくると信じています。

これからも試行錯誤しながら、成長していきたいと思います。

レザークラフトが好きで、いつか独立したいと思っている方。
一緒に頑張っていきましょう🔥

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