縫い糸(ステッチ)の擦り切れを防ぐ!どうする?

糸の擦り切れ防止どうする?
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こんばんは!

佐賀県嬉野市でアメリカンレザーカービング教室を運営しているYoshikiです。

今回のテーマは「糸(ステッチ)の擦り切れを防ぐ」というテーマでお送りしたいと思います!
このブログはレザーカービングに特化していますが、今回の記事の内容はレザークラフトをしている方全員に役立つ内容となっています!糸の擦り切れ防止というテーマは、レザークラフト全般に共通する重要な話題ですので、ぜひ最後までお読みください。

レザークラフトにおいて、革は非常に丈夫な素材ですが、は革の耐久性に比べるとどうしても劣ります。長年使い続けると、革は全然キレイなのに、糸が擦り切れてしまうことがあり、そのままでは製品の形が崩れたり、最悪の場合使えなくなってしまう可能性があります。

糸が擦り切れてしまうと、作り手にとっては無償(?)で修理する手間がかかりで、使い手にとっても修理に出す手間が発生するため、双方にとってデメリットしかありません。こうしたトラブルを未然に防ぐこともレザークラフターとして重要だと思います。

この記事では、糸の擦り切れを未然に防ぐための3つの方法を紹介します。このちょっとした工夫を加えることで、作品の耐久性を格段に高めることができますよ!

目次

糸(ステッチ)の擦り切れを防ぐ3つの方法

その① ステッチングディバイダーを使って革を沈める 

ディバイダー

これがステッチングディバイダーという工具になります。グルーバーって言ったりもするのかな?すいません、あまり工具の名前には詳しくないんです。。。

ディバイダーを使って縫い目のラインを押し込むことで、糸が革の表面よりも沈んだ位置に配置され、摩擦を減らすことができます。ただし、この方法には限界があり、時間が経つにつれて革が元の位置に戻り、糸が浮き上がる可能性があります。そのため、効果が一時的になる場合もあるので注意が必要です。
下の画像は、ディバイダーで革を押し込んでいるところ。溝ができているのがわかると思います。この溝の上を縫って糸を沈めていきます。

ステッチングディバイダーを使っている所

その② 溝切りを使って革に溝を作る

溝切り
溝切の跡にステッチを入れる

上の画像は溝切りと、溝切りでできた溝に菱目打ちを打っている画像です。
溝切りを使って革の表面(吟面)を削り、段差を作る方法です。この溝に糸を縫い込むことで、糸が革の表面よりも低い位置に収まり、擦り切れにくくなります。この方法は効果が非常に高く、私はこの方法しか使っていません。溝を作ることで糸が完全に保護され、革が浮き上がる心配もありません。下の画像は、3年間使用したスマホケースの写真です。毎日何回も何回も触るスマホケース。でも、糸(ステッチ)は全く擦り切れていません。
効果は絶大ですね!

3年使用のスマホケース


でも・・・下の写真のように溝切りを失敗する可能性もあります。ここまで作って失敗したら、精神的ショックがかなり大きいです。


その⓷ 段漉きで革に段差を作る

段漉きで革に段差を付け、その段差の横を縫う方法です。この方法も非常に有効ですが、作業に手間がかかり、技術が必要です。そのため、初心者には少し難しいかもしれません。私も何度か挑戦しましたが、あまり上手にできませんでしたので、今はほとんどしなくなりました。
方法は、まずフレンチエッジャーなどで床面を漉きます。

床面を漉く

そして、ここでは詳しいやり方は割愛しますが、「押し捻」という工具を使って下の画像のように革表面に段差を付けます。

段漉き

段差を付けた真横を縫うことで、糸の擦り切れを防ぐことができます。

菱目打ちで縫い穴をあける

糸が一段下がっているのがお分かりになると思います。この加工のお陰で糸が擦り切れることを防ぐことが出来ます。
この段差加工ができれば立体感も出て、かなりカッコいい仕上がりになるんですが、私の場合は技術が追い付かず。参考までに私は過去に作った、段差を作って立体形成した財布です。小銭入れの蓋部分のみ立体形成して糸の擦り切れを防止しているのですが、分かりますか?立体感が出て、かっこよくありませんか?

立体形成した財布

①、②、⓷のまとめ

ステッチの擦り切れ防止方法のまとめ

私の手書きで大変恐縮なのですが、この図が最も分かりやすいのではないかと。。
ピンクの丸が糸ですね。加工なしでは、糸が保護されていないので、すぐに擦り切れてしまう可能性があります!何らかの対策が必ず必要だと思います!

初心者には「溝切り」がおススメ!

私が初心者におすすめするのは溝切りです。以下の理由から、溝切りが最もバランスの取れた方法だと思います。

  • 手早く作業できる: 溝を作るのは比較的簡単で、短時間で行えます。
  • 効果が確実: 糸が革に埋まるため、摩擦による擦り切れの心配がほとんどありません。
  • 長期間の耐久性: 人によっては「溝切りした部分は吟面が無くなるので革の耐久性が落ちる!」という人がいますが、私の経験上、今までに溝切りが原因で革が破損した事は一度もありません。革小物の場合、溝切りによる耐久性の低下は気にする必要はないと思います!

ただし、溝切りはタンニン鞣しの硬い革に適しており、オイルレザーなど柔らかい革には向いていません。そのため、革の種類に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。

最後に

糸の擦り切れは、作り手と使い手の両方にとってデメリットしかありません。ディバイダー、溝切り、段漉きといったひと手間を加えることで、この問題を防ぐことができます。特に溝切りは、簡単で効果的な方法として初心者には特におすすめです!

まだ試したことがない方は、ぜひ溝切りを取り入れてみてください。あなたの作品の耐久性が飛躍的に向上することでしょう!

それでは、良いレザークラフトライフを♪

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