ベベラ刻印について ~作品の完成度を左右する重要なツール~

ベベラ刻印について
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こんにちは!今回はレザーカービングにおいて作品の完成度に大きな影響を与えるべベラについてお話しします。
では、まずはベベラの画像をどうぞ。
ちなみに今回使用する画像も全て、t,kanno氏からのブログから拝借しております。

t.kanno氏のブログはこちら → 俺のホビー!!ほぼシェリダンスタイルカービング(゚д゚)(。_。)ウン!

ベベラ

ベベラは、スーベルナイフでカットしたラインにそって打刻し、模様に立体感や奥行きを出すために使う刻印です。このべベラを使うことで、デザインが引き立ち、立体的な表現が可能となります。このカットしただけの平面的な四角が、、、

ベベラを打つ前

ベベラを打つことで、こんな風に立体的に表現できるようになります。

ベベラを打った画像

ただし、打刻の仕方次第で作品の出来栄えに大きな差が出るため、使いこなすには練習が必要です。

前回の記事で、カービングの完成度に最も影響を与えるのはスーベルナイフのカットだとお伝えしましたが、それに次いで重要なのが今回のテーマである“べベラ”です。カットとべベラの技術で、カービング全体の完成度の80%は決まると言っても過言ではありません。それくらい、べベラの打刻をきれいに仕上げることが重要です。

目次

ベベラの種類と選び方

べベラは一見どれも似ているように見えますが、実はV字の角度や幅のサイズが様々あり、メーカーによってメッシュの模様が全然違います。この違いによって用途が変わり、図案の細かさや打刻するラインの形状によって使い分けが必要です。

ベベラの角度

V字の角度は、デザインの細かさや打刻の用途によって選びます。細かい図案には鋭角なべベラ、アリゾナスタイルのような大柄な図案には鈍角のものが適していると思います。下の画像のベベラは、左から傾斜15°、30°、40°のベベラになります。

ベベラの角度の違い

t,kanno氏も

  • 左から傾斜15°のベベラ = 大柄な唐草模様などの図案
  • 真ん中は傾斜30°のベベラ = 繊細なシェリダンスタイルのような図案
  • 右が傾斜40°のベベラ = 更に繊細な図案

のように使い分けているそうです。

ベベラの角度の違い

角度の違うベベラで打刻した参考画像です。この画像を見ると、やはり図案に合わせてベベラを使い分ける必要があることがしっかりと分かりますね。
t,kanno氏のブログは本当に参考になります。私も昔、カービングがまだ未熟だった頃、t,kanno氏のブログを拝見しながら勉強させて頂いていました。
t.kanno氏のブログはこちら → 俺のホビー!!ほぼシェリダンスタイルカービング(゚д゚)(。_。)ウン!

ベベラの幅

直線を打刻する際は、幅が広いべベラの方が効率的です。広いべベラは打刻跡が目立ちにくく、スムーズな仕上がりになります。私の場合は、左のベベラは直線や緩やかな曲線、右のベベラは細かな図案や狭い部分に使用しています。

ベベラの幅

おすすめのメーカー

クラフト社(日本)

シェリダンスタイル用のステンレス刻印を取り扱っており、初心者でもシェリダンに挑戦しやすいよう商品展開がされています。私もステンレス刻印のベベラは愛用していますが、とても質がよく、キレイな打刻が可能です!

協進エル(日本)

EMS刻印を展開しており、こちらも幅広い用途で使用可能です。私はEMS刻印は使ったことがないのですが、私の知人は愛用しているようです。

バリーキング(アメリカ)

私個人としては、バリーキング社のべベラを最もおススメしています。私の師匠の勧めで最初からバリーキングを使っていますが、仕上がりの質がとても良いです。日本製の最も安いべベラと比べると価格は10倍ほど高いですが、打刻のしやすさと仕上がりの美しさが圧倒的に違います。特にプロを目指す方や本格的にカービングを楽しみたい方には、最初から良い刻印を持つのもいいのではないかと思います。



ベベラの使い方のコツ

べベラをキレイに打刻する為には、以下のポイントを押さえることが重要だと思います!

スーベルナイフのカットを正確にする

ベベラで打刻する際、カットしたラインを打刻することになるので、カットが不正確だとべベラをどれだけ丁寧に打刻しても美しく仕上がりません。前回のブログで書いた通り、図案通りに正確に美しくカットする技術が必須というわkです。

打刻の圧力を一定に保つ

打刻の強さが均一でないと、模様にムラが生じます。特に長いラインを打刻する際は、幅の広いベベラでリズムを意識して打つ必要があります。下の画像は、ベベラの悪い例です。ベベラの打刻跡がしっかり残っていて、お世辞にもキレイとは言えませんね。

ベベラの打刻ムラ

べベラの角度を一定に保つ

ベベラを打つ際は、基本的に刻印を垂直に持って打ち進めていきます。この角度がずれるとラインが歪んだり、打刻跡が目立ちます。それを解消する為に、打刻する際は、奥から手前、もしくは手前から奥へ打ち進めるのがコツです。教則本には、「奥から手前に打ち進める」と書いてあることが多いですね。カービングの初心者の場合、奥から手前に向けて打ち進める癖を付けることをおススメします。

革へ入れる水加減

水加減については、カービングする際、全ての工程で重要になります。水が少なすぎると、スーベルナイフでのカットが浅くなり、べベラの打刻跡が不明瞭となって仕上がりが悪くなります。一方で、水を入れすぎると革が柔らかくなりすぎてしまい、ふにゃふにゃになってきれいな打刻が難しくなります。適切な水分量については、一つの記事として近々配信予定ですので、それまでしばしお待ちを。

まとめ

べベラは、レザーカービングの完成度を左右する非常に重要な刻印です。種類や選び方、使い方をしっかり理解することで、カービングの仕上がりが格段に向上します。このブログだけでは、ベベラ打刻のノウハウを全て理解することは難しいので、オンライン講座にてしっかり説明していきたいと思います。
早くオンライン講座を開講できるよう、がんばりますね!

これからカービングを始める方や、さらにスキルを磨きたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。それでは、次回の記事でまたお会いしましょう!

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