こんにちは!
佐賀県嬉野市でアメリカンレザーカービング教室を運営しているYoshikiです。
今年もブログを読んでいただき、心から感謝しております。今日は大晦日。何かと忙しい中ですが、この記事が何かの刺激やヒントになれば幸いです!
来年は引き続きブログを執筆していきながら、対面での教室やオンライン講座を開始していきたいと思っておりますので、どうぞ来年も宜しくお願い致します。
さて、今回のテーマは「型紙作り」についてです。
以前のブログで「JW-CADを使った型紙作りメリット」について掲載しましたが、今回は型紙を作る際の考え方について。レザークラフトをしている方なら一度は型紙作りで悩んだことはあるはずです。
型紙作りのヒントになれば幸いです。
型紙をイメージするのって、意外と難しい
型紙作りはレザークラフトを行う上で必要不可欠であり、スムーズに作れるかどうかで作業効率は大きく変わります。
「こんなデザインの製品が作りたい!」
と思った時に、その形状や平面図を頭の中で想像してイメージ出来るかどうか。そして、それを紙の上(もしくはCAD)で再現できるかどうか。
例えば、下の財布を作ろうと思った場合、どのような形の型紙でできているか、何個のパーツに分かれているか、サイズはどのようにすればいいか、イメージできますか?
このコンパクト財布、一見シンプルな構造のように見えて、意外と作るのが大変な財布なんです。組み立てる順番を考えながら作らないと、終盤になって「完成できない・・・」という事が起きてしまいます。
さらに、外パーツと、内パーツの革の長さの差も計算しないといけません。たとえば、これは閉じている際の画像。閉じているときは、〇の部分はしっかり閉じてキレイに収まっています。
でも、開くと
こんな風に外パーツと内パーツの長さの差によって、革の膨らみが出来るのですが、これは財布の構造上、こんな風に作らないといけません。
もし外パーツが長すぎたら、財布を閉じたときに革が余ってしまい、収まりが悪くなってしまいます。
外パーツが短すぎたらこの財布を折りたたむ事はできませんので、型紙としては失敗です。この外パーツと内パーツの長さの差をどれくらいにするのか?という事も型紙を作る際に考える必要があります。他にも、
- 金具を付ける位置は合っているか?
- ホックやファスナーを使用する場合、それが他のパーツ(例:カードポケットや小銭入れ)に干渉しないか?
- 財布の場合、実際にカードや小銭を入れた際にしっかり締まるか?財布が分厚くなり過ぎないか?
- 小銭はこぼれ落ちないか?取り出しやすいか?
- 縫い代の事を考えて型紙を作っているか?
- 革の厚みは大丈夫か?(厚い革の場合、折り曲げることが困難な事があります)
- 機能性は問題ないか?
など、考える事は盛りだくさん。型紙作りって、本当に難しいのです。
ちなみに、上のコンパクト財布の型紙は、こんな感じになっています。意外とパーツが多いんです!
型紙をイメージする習慣を作ろう!
型紙作りは、複雑な構造のアイテムであればあるほど、難しくなります。特に初心者の方は、どのような型紙にすればいいか、イメージしづらいと思います。
私の場合は、以下のような事をしながら、型紙作りの勉強をしていました。
教則本に載っている型紙で、実際に作ってみる
まずは自分で考えるより、プロが作った型紙を使ってアイテムを作ってみましょう。様々なアイテムを何個も作っていると、次第に型紙のパターンが理解できてくるので、初めは教則本などに載っている型紙を参考にする、というのが、型紙作りのスキルアップには最も近道かもしれません。
店に売っている製品を研究する
100均、ファッション店、雑貨店など、財布やバッグ、革小物は様々なお店に並んでいます。私は気になる商品は、とにかく手に取って、「どんな構造になっているのだろう」「型紙はどうなっているのだろう」とひたすら見ながら考えて研究してました。その積み重ねが型紙作りの能力を向上させます。
たくさんの型紙を作ってみる!
私はレザークラフトを始めた当初からJW-CADを使って型紙を作っていましたので、初心者の頃はたくさんの型紙を実際に作っていました。そして、CADで作った型紙をプリンター用紙に印刷し、下の写真のようにホッチキスで留めて型紙のチェックをしていました。
この方法で問題なのは、革の厚みを計算しづらいこと。薄いプリンター用紙なら問題なく型紙が作れたかもしれませんが、実際に革で作ってみると厚みが影響して作れない・・・なんて事も。
もしその問題を解消したい場合は、床革で試作品を作るという方法が有効です。下の画像は床革で作った試作品ですが、床革で作って問題が生じなければ、きっと本番の革でも問題なく完成することができることでしょう。
最後に
型紙を素早く想像できることは、製品作りの時間短縮に繋がります。ゆえに、レザークラフトを副業として考えている方にとって、この能力を向上させることはとても重要であり、収益にも直結します。
みなさんもぜひ、型紙作りのスキルアップを行い、レザークラフトライフを楽しみましょう!
それでは、来年もみなさんにとって、すばらしい一年になりますように。
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