こんばんは!
アメリカンレザーカービング教室の講師のYoshikiです。
今回のブログは、レザーカービングをしている方なら必ずと言っていいほどぶち当たる壁、「カービング図案の描き方」について。
「シェリダンスタイル」と「アリゾナスタイル」では図案の描き方が違うので、今回は「シェリダンスタイルカービング」の図案の描き方について解説していこうと思います。
次回は「アリゾナスタイルカービング」の図案の描き方について解説しますので、お楽しみに!!
シェリダンスタイルとは?
まずは簡単にシェリダンスタイルの特徴について。

シェリダンスタイルは、サークル(円)が次のサークルへと美しく流れるようなデザインが特徴で、繊細かつ優雅な印象を持っています。
レザーカービングをしている方の約9割が、シェリダンスタイルのカービングを彫っているのではないかと思います。
詳しくは、以前のブログ「シェリダンスタイルvsアリゾナスタイル」でも紹介していますので、ぜひチェックしてください。
図案作成の基本:サークルの描き方
では早速始めていきましょう!
まず、基準となるサークルを描きます。

基準となるサークルを描く際に私が使用しているのが、写真に載っている円定規とコンパスです。基本的に私は「円定規」を使うことが多いです。

左上の円定規は「楕円形」になっていて、少しアレンジを加えたシェリダンスタイルカービングを描く際に使用しています。
ちなみに、左下の円定規は「ダイソー」に売ってありますよ!
図案の描き方(ワンポイントの場合)

このようなワンポイントの図案の場合は、描くのは以外と簡単です。





このような流れで図案を描くことで、ワンポイントのカービング図案の完成です。
ワンポイントの図案は比較的簡単ですので、初心者の方も是非チャレンジしてみてください!
初心者が描きがちな、避けたい図案の描き方
ここで2点、避けた方がいい図案の描き方について解説したいと思います。
まず、この図案を見てください。何か感じますか?

では、バッググランドを塗りつぶしてみます。

何がマズイのか、解説しますね。
バックグラウンドの面積がバラバラ
プロの方でも、このようにバッググラウンドの面積がバラバラの方がいらっしゃいます。図案を描く際、バックグラウンドの面積を極力同じように描くのが美しいシェリダンスタイルを描くポイントです!

「葉序」を無視したツルの配置
自然界の植物には「葉序(ようじょ)」というものがあって、下の画像のように本来は茎から左右対称に葉が生えます。

さっきの図案だと、片側だけにツルが出ている不自然な図案になっています。必ず左右にバランス良く配置するよう心掛けましょう!
こういう拘りも大事だと思います!お客様へ図案について説明する際にも説得力が増しますしね!
複数サークルを繋ぐ図案の描き方
では次に、複数のサークルを繋げる際の描き方です!
サークルの位置は、外枠から2㎜程度離す

基準サークルを描く際、私は必ず外枠から2㎜程度空けるようにしています。基準サークルが外枠に接している場合…

なので、必ず外枠と基準サークルは接さないように配置しましょう!逆に外枠との距離を空け過ぎてしまうと、図案が描きにくくなる場合があります。(私のスキルの問題かもしれませんが…)
サークル間の距離:6mm〜10mm程度。
サークルとサークルの距離は、6㎜~10㎜程度がベストです!

サークルの直径が大きくなれば10㎜程空ける場合がありますが、基本的に私は6~8㎜程度で間隔を取っています。
間隔が狭すぎると窮屈な図案になってしまい上手くツルが繋がらないし、距離を空け過ぎるとそれはそれでバランスが悪くなります。
その為、サークルとサークルの距離は6㎜~10㎜という認識で是非書いてみて下さい。
サークル間のツルの繋ぎ方
サークルとサークルの繋ぎ方のイメージは、下の画像の通り。イメージできますか?

赤いラインを省きました。描き方のイメージできますか?

そして、空いたスペースにリーフ(葉)やスクロールを入れていき、図案を完成させます。

描いたカービング図案の良し悪しを確認するコツ
私もですが、描いたカービング図案の完成度って気になりますよね。いざ彫ってみて、
「なんか微妙・・・」
ってなるのも嫌ですし。ですので私は図案を描き終えた時点で、バッググラウンドを塗りつぶして確認するようにしています。

図案描きの上達のためのコツ:トライ&エラーの積み重ね
私もそうでしたが、理屈は分かっても最初から完璧な図案は描けません。しかし、「描いては彫り、彫っては描きを繰り返す」ことで、確実に上達していきます!
「好きこそものの上手なれ」
カービングが好きなら、必ず上達します。
失敗は貴重な学びだと思います。自分の理想のシェリダンスタイルを目指して、何度でも挑戦しましょう!
まとめ
今回は、シェリダンスタイルのカービング図案の描き方について解説しました。
ぜひ、何度も練習して、自分だけの理想のシェリダンスタイルを完成させてください!
次回は「アリゾナスタイルカービングの図案の描き方」です!どうぞお楽しみに!
それでは、また次回のブログで!