【アリゾナスタイル編】カービング図案の描き方

こんばんは!

アメリカンレザーカービング教室の講師のYoshikiです。

前回のブログでは「シェリダンスタイルカービングの図案の描き方」について解説しました。思いのほか好評で、たくさんの方にブログを読んで頂けたようです!

そして、ブログの最後に予告したとおり、今回は「アリゾナスタイルカービングの図案の描き方」について説明していきます。

シェリダンスタイルカービングの図案の描き方については、👇のブログをご参照ください!

【関連記事はこちら】
👉【シェリダンスタイル編】カービング図案の描き方

アリゾナスタイルカービングとは?

以前の記事「シェリダンスタイルカービング vs アリゾナスタイルカービング」でも解説しましたが、日本ではシェリダンスタイルカービングが主流で、アリゾナスタイルカービングについて詳しく書かれた教則本はほとんどないのが現状です。

数年前に発売された「レザーカービングの技法~タカファインレザー編~」でアリゾナスタイルの彫り方が紹介されましたが、それ以外ではなかなか見かけることがありません。

このように情報が少ないため、アリゾナスタイルカービングを習得し、図案を描けるようになることは、他のレザーカーバーとの差別化ポイントになり得ると思います!

シェリダンスタイルとの図案の違い

シェリダンスタイルカービング
アリゾナスタイルカービング

シェリダンスタイルカービングは、サークルからサークルへ美しく流れるデザインが特徴で、繊細かつ優雅な印象を与えます。

一方、アリゾナスタイルカービングは、サークルを基準にすることなく、緩やかなカーブの茎の先に花があり、その花の下から新たな茎が伸びていくというパターンを繰り返すのが特徴です。

また、アリゾナスタイルではスクロール(渦巻き)アカンサスリーフと呼ばれる葉っぱがよく使われ、花・スクロール・アカンサスリーフで構成されるデザインが多く見られます。

アリゾナスタイルカービングのアカンサスリーフ
アリゾナスタイルカービングのスクロール

アリゾナスタイルの図案の描き方

正直に言うと、私はシェリダンスタイルの図案の方がアリゾナスタイルよりも断然簡単だと感じています。

シェリダンスタイルは決まったパターンに沿って描くことができるため、比較的スムーズに図案を完成させることができます。しかし、アリゾナスタイルはより自由度が高いデザインなので、構成に悩むことが多く、スムーズに描くのがとても難しいです。

とはいえ、私自身もアリゾナスタイルの図案の描き方を正式に学んだわけではなく、プロのカービング作品を見て研究し、「こんな感じかな?」と試行錯誤しながら習得しました。

ですので、この記事を読む皆さんも、自分なりに試しながら描いていくのが一番の学びになると思います。

では、最近YouTubeにアップしたブックカバーに彫ったアリゾナスタイルカービングを参考に、具体的な図案の描き方を紹介していきます。

STEP
ざっくりと花の位置を決める
アリゾナスタイルの図案の描き方

まずは花の位置を決めます。彫る面積に応じて花の個数を調整しましょう。今回のブックカバー程度のサイズであれば、2個が丁度いい個数ですね。

STEP
茎をどの方向へ伸ばすか決める
アリゾナスタイルの図案の描き方

花の個数と位置が決まったら、茎がどの方向へ伸びるか決めます。アリゾナスタイルの場合は、花の下から茎が伸びる図案を描きますので、それを意識しながら茎の方向を決めましょう!

STEP
茎やツルの流れのイメージができたら、花を描き入れ、さらに茎を書き足していく
アリゾナスタイルの図案の描き方

花の位置と流れを決めたら、実際に花や茎を描き入れます。

花を描き入れる際、トレース台を使うととても便利ですよ。詳しくは👇の記事をご参照ください!

STEP
茎を基準にツルを書き足しながら、スクロールやアカンサスリーフをどのように配置するか考える
アリゾナスタイルの図案の描き方

スクロールやアカンサスリーフをどのように配置するか考えながら、図案を描き進めます。

「シェリダンスタイルの図案の描き方解説」の記事でも説明した通り、「葉序」も意識しながら図案を描きましょう!

STEP
空いたスペースにツルやスクロール、アカンサスリーフを入れて図案を完成させる
アリゾナスタイルの図案の描き方

「空いたスペースをどのように埋めるか」がとても難しく、私がいつも苦戦している所です。

上手くスペースを埋めたら、図案の完成です。

私は、いつもこの流れで図案を描いていきます。一見、簡単に描いているように見えるかもしれませんが、実際には数時間かけて試行錯誤しながら仕上げています。

私以外のレザーカーバーも、きっと図案描きには多くの労力をかけ、苦労して描き上げていると思います。

しかし、ネット上ではカービング作品の画像をダウンロードし、その図案をそのまま使って彫った作品を、あたかも自分のオリジナル作品のようにSNSにアップしている人を見かけることがあります。やはりこれはNGだと私は思います。

図案を描く技術や知識を身につけるには、多くの時間と労力を要します。毎回、試行錯誤しながら苦労して描き上げているのです。したがって、無断で他人の図案を使用するのはルール違反であり、マナー違反ですよね。

自分で図案を描くことができないうちは、販売されている図案集を使うか、私のように公開している図案を活用するのが適切だと思います。

アリゾナスタイルカービングに挑戦しよう!

この記事を読んで「やってみよう!」と思った方も、最初から完璧な図案を描くのは難しいと思います。

しかし、「描いては彫る、彫っては描く」を繰り返すことで、確実に上達します。トライ&エラーを重ね、「好きこそものの上手なれ」の精神で続けることが大切です。

「でも、どうしても描けない…」

そんな方のために、今後YouTubeにアップする製作動画では、これまで型紙のみ公開していましたが、今後はカービング図案も少しずつ公開していこうと思っています。

もし

このアイテムの型紙を公開してほしい
このアイテムにカービングを入れたいから型紙と一緒に図案も公開してほしい

などの要望がありましたら、「お問い合わせフォーム」からお気軽にご連絡ください。順番に製作していこうと思います!

皆さんも、ぜひアリゾナスタイルカービングに挑戦してみてください!

それでは、また次回のブログで!

「【アリゾナスタイル編】カービング図案の描き方」への1件のフィードバック

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